政府は臨時閣議で、平成28年度第2次補正予算案を決定した。一般会計の追加歳出は、4兆1,143億円で、当初予算と合わせた総額は100兆87億円になる。補正予算案には、▽一億総活躍社会の実現と加速(1,119億円)、熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化(1兆4,389億円)…などが盛り込まれ、保育や介護の受け皿確保なども挙げられ、前進が図られている。
厚生労働省は、「周産期医療体制のあり方に関する検討会」の第6回会合で、「周産期医療体制整備計画の主な内容である周産期母子医療センターやNICU等の数の整備は、引き続き取り組みは必要なものの、その目標を概ね達成している」との考えを示した上で、「『周産期医療体制整備計画』も『医療計画』に一体化してはどうか」と提案し、了承された。
全国知事会の大澤 高齢者認知症対策・介護人材確保プロジェクトチームリーダーは、先月の知事会で決定した「高齢者認知症対策の強化に向けた緊急提言」や「介護人材確保対策の強化に向けた緊急提言」などを基に、厚生労働省の二川事務次官に要請を行った。認知症の緊急提言は、@認知症に対する理解促進と地域で認知症の人を支える体制の構築、A認知症の人への生活支援、B認知症の人を介護する家族への支援、C認知症ケア推進…などで構成。また、介護人材確保対策の緊急提言は、@多様な人材確保と人材育成、A介護人材従事者の処遇改善、B地域医療介護総合確保基金の財源確保と効果的な活用…などで構成されている。
経済産業省は、大学や企業などの産学官連携活動で大きな成果等を収めた事例を表彰する「平成28年度産学官連携功労者表彰〜つなげるイノベーション大賞〜」の経済産業大臣賞を決定し、発表した。大臣賞を受賞したのは、国立研究開発法人技術総合研究所とシスメックス(株)による「世界初・糖鎖を使った肝線維化診断システムの実用化」などで、製品化に至った事例で、血液検査のみで肝臓全体の状態(発ガンリスク等)を把握出来るようになり、慢性肝炎患者の即日検査(20分以内9を可能にした)と説明。
日本公認会計士協会は、「公認会計士による監査が制度化されました」と名付けた社会福祉法人向けリーフレットを作成し、ホームページで公表している。同協会では、「会計監査人の設置が義務付けられる社会福祉法人の規模については、今秋公表予定の政令において定められる予定。政令が公表され次第、対象法人の規模を盛り込んだ最終版を作成する予定」などとしている。
厚生労働省は、「心血管疾患に係るワーキンググループ(WG)」の初会合を開催し、「急性期の専門的医療を行う施設の役割分担等の考え方(案)」を示した。「専門的な医療」と「高度な専門的医療」の役割分担を明確化するため、「心臓内科系集中治療室(CCU)」や「医師による当直体制」などを挙げている。
日本慢性期医療協会会長の武久氏は定例記者会見で、療養病床の再編問題に関連して「病院内に病床転換した施設と老健との整合性をどうするのかが非常に重要な問題になってくる」との考えを示した。厚生労働省が転換策として示している三つの案のうち、「医療を外から提供する居住スペースと医療機関との併設(医療外付型)」に着目。「病院併設型の老健は敷地内または病院建物内にある場合があるので、こういうケースの場合は病院内に病床転換した施設と老健がどのように違うのか」と問題を提起した。
政府の総合科学技術・イノベーション会議の重要課題専門調査会は、「地域における人とくらしのワーキンググループ(WG)」を開いた。その中、東京大学大学院教授の宮田氏は医療・健康分野でのデータベースの活用に関し、「施設書道の『囲い込み型』データベースから、ユーザー志向のオープンデータベースに変わって行く」と指摘。「今まで医療情報は病院のカルテ、あるいはレセプトを中心に考えらきてが、患者を軸にして(関係者が)繋がる事によってさまざまな情報を活用できる」と強調した。また、「医療・福祉は今後10年、成長する分野」であると述べ、日本の個人金融資産約1,600兆円のうち、団塊の世代が1,500兆円を持っているとも述べた。
厚生労働省は、定期的に労働者のストレス状況などを検査する「ストレスチェック制度」について、「看護師・精神保健福祉士に対する研修(実施者になるために必要な研修)」の開催状況を更新した。日本産業カウンセラー協会や日本産業保健サポートセンターなどが実施する研修会を追加している。
全国知事会の危機管理等委員長は、松本防災担当相に「防災・減災対策の緊急かつ確実な実施について」と題した資料などを基に要請活動を行った。
厚生労働省は、「保育所保育指針の改定に関する中間とりまとめ」を公表した。慢性疾患を持つ子どもや医療的ケアが必要な子ども等の保育について、「そのかかりつけ医及び看護師、関係機関、保護者と連携を密に、病状の変化や保育の制限等について保育士等が共通理解を持ち、必要な医療的な対応が行われるように配慮する事が重要である」との考えを示している。今回の「中間取りまめ」では、「保育所保育指針の改定の方向性」といて、@乳児・1歳以上3歳未満時の保育に関する記載の充実、A保育所保育における幼児教育の積極的な位置づけ、B子どもの育ち方をめぐる環境の変化を踏まえた健康及び安全の記載の見直し、C保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援の必要性、D職員の資質・専門性の向上…を挙げている。
以上